未来クライム第 4 期 アドバンスコース 第六回レポート

「実装する前に、地図を描く」─ 仕様書と手順書で AI の手綱を握った夜

2026 年 9 月 2 日(水)19 時、未来クライム第 4 期アドバンスコースの第 6 回を開催しました。

前回(第 5 回)で Claude Code を導入してからちょうど 1 ヶ月。今回からは、一人ひとりが自分の課題を解決するプロダクトを企画・開発していく「個人プロジェクト開発」のステップに入ります。


前回の反省から ─ 「実装しますね」に立ち止まる


前回、Claude との壁打ちを進める中で「じゃあこれで作り始めるよ」と AI が先走って実装を始めてしまい、方向性を確認する前に開発が進んでしまう方が何名かいました。今回はその反省を踏まえたところからスタートです。

1 ヶ月の間の進み具合は人それぞれ。すでにアプリを作り始めている人もいれば、まだアイデア段階の人もいる。今日のゴールは、その進み具合に関わらず全員が「企画書を完成させる」「実装前に AI へ仕様書・手順書を作ってもらう」「その手順書に沿って実装する」という 3 つのステップを体験することに置きました。

Claude Code で作った実例 ─ 「これだけ?」から広がった機能

企画書に取りかかる前に、実際に Claude Code で作られたシステムの例が紹介されました。

小学生から高校生を対象としたデジタル体験施設「PITAAAN!」で運用されている入退館管理システムです。

利用者に配布されている QR コードをパソコンのカメラに向けてかざすと入館処理がされ、もう一度かざすと退館処理がされる。管理画面では、その日の来館人数や新規登録者数男女比などが自動で集計されます。

このシステムが作られたきっかけは、紙の受付用紙に手書きで記録していた入退館管理でした。

子どもたちが書いた受付用紙をフォームに手入力していたため、集計に時間がかかっていたそうです。QR コードで読み取るだけの仕組みに置き換えたことで、記録の手間と集計の時間が大きく削減されたといいます。

最初からすべての機能を作ったわけではなく、「QR コードを読み取って入館・退館を処理する」という最小限の機能から始まり、日別・週別の集計、利用者管理など、必要な機能を少しずつ追加していった結果、今の形になったといいます。

「小さく始めること」「実際に使ってもらってフィードバックを得ること」「AI をコード生成だけでなく企画の壁打ちやデバッグにも活用すること」の 3 点が、このシステムの開発を通して見えてきたポイントとして共有されました。

企画書づくり ─ 「自分専用」から一歩広げてみる

企画書のテンプレートには、課題(Why)・ターゲット(Who)・解決策(What)・最低限の形(How)・作り方の 5 項目があります。

ターゲットの項目では、「自分専用のプロダクトでもちろん OK」としつつ、「この困りごと、実は自分以外にも困っている人がいるのではないか」を一度想像してみることが勧められました。

同じ職場、同じような生活スタイルの人など、対象を広げて考えてみると、機能のアイデアや選択肢も自然と広がっていく、という話です。考えた結果「やっぱり自分専用でいい」となっても、それはそれで問題ありません。

「最低限の形」の項目では、詰め込みすぎず「これだけあれば使える」という機能に絞り込むことが確認されました。残りの機能は「将来の拡張」として記録しておき、まずは小さく形にすることが優先されます。

壁打ちの相手は Claude に限りません。Gemini で企画書や技術構成を練ってから Claude にコードを書いてもらう、といった複数の AI を組み合わせる使い方も問題ないことが共有されました

仕様書・手順書 ─ 実装前に AI の手綱を握る

休憩を挟んで後半のメインテーマへ。

前回の反省を踏まえ、実装に入る前に必ず「仕様書」と「手順書」を AI に作ってもらうステップが導入されました。

ポイントは、企画書の内容を伝えたうえで「まだ実装はしないでください。仕様書だけ作ってください」と明確に指示すること。仕様書には画面構成、各画面の役割、画面間の遷移、使用する技術を含めてもらいます。自分のスキルレベルを伝えておくと、その水準に合った技術構成を提案してもらいやすくなることも共有されました。

仕様書ができたら、続けて手順書を作ってもらいます。ここでも同様に「まだ実装はしないでください」と伝えることがポイントです。できあがった仕様書・手順書は、実装に入る前に必ず目を通して確認することが強調されました。イメージと違っていたり、手順が複雑すぎたりする場合は、「ステップ 3 の内容をもっと小さく分けてほしい」のように遠慮なく指摘してよいのです。

このプロセスは新規の企画だけでなく、すでに開発が進んでいるプロジェクトにも応用できます追加したい機能が出てきたら、その都度「実装前に仕様書・手順書を作ってもらう」を繰り返すことで、方向性のズレを防ぎながら開発を進められます。

内容に納得できたら、いよいよ実装です。「ステップ 1 が終わったら一旦止めて報告してください」と伝えることで、一気に進めて失敗するリスクを避け、小さな単位で着実に進めていく体制が整いました。

各自の作業時間 ─ 進み具合はそれぞれで

後半は、各自の状況に応じた作業時間です。すでに開発を進めているプロダクトの続きに取り組む人、企画段階からじっくりサポートを受けながら進める人、それぞれのペースで手を動かしました。

写真素材の差し替え方法や、今あるページに機能を追加していく際の仕様書の書き方など個別の質問に答えながら進行しました。

これからの道のり

今日のまとめは 3 つ。企画書を完成させたこと、実装前に仕様書・手順書を AI に作ってもらったこと、そしてその手順書に沿って実装を進めたことです。

次回は 2026 年 10 月 7 日(水)。この 1 ヶ月で、今日作った仕様書・手順書をもとに主要機能を完成させることが目標です。その後は実際に使ってみてフィードバックを得ながら改善を重ね2026 年 2 月の成果報告会に向けて仕上げていく流れになります。

未来クライムとは

なりたい自分になる。やりたい仕事を、やり続ける。そんな未来を手に入れるためには、険しい山を登るように、たくさんの学びや出会い、そして挑戦が必要です。
未来クライムは、「なりたい自分」を目指すみなさんを支えるために、出会いと学びの場を届けていきます。
第 4 期目を迎えた今年度の「未来クライム ~PROGRAMMING ACADEMY BIBAI~」でも、美唄市から IT 人材を世に送り出していくために、生成 AI やプログラミングを継続的に学べる場を提供していきます。
小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成長につながります。仲間とともに学び合いながら、生成 AI とプログラミングの世界を、一歩ずつ一緒に進んでいきましょう!